将来の正解が見えなくても大丈夫

~偶然を味方につけるキャリアのつくり方~

将来の正解が見えなくても大丈夫

こんにちは!キャリアコンサルタントの佐藤です。

皆さんはこれまでどんなお仕事をされてきましたか?

学校を卒業した後、希望通りの仕事に就けた人もいれば、事情があって希望がかなわなかった人もいるでしょう。
それ以前に、やりたいことがはっきり決まっていないまま、できることをとにかくやってきた、という人もいるかもしれませんね。

私は現在キャリアコンサルタントとして、女性しごとテラスのカウンセラーとして働いています。
ところが、実は50代半ばくらいまで、このような職業に就くとは想像もしていませんでした。
特に「こうなりたい」という目標も持たず、子育てをしながらとにかくできることをひたむきにやっていたら、
結果的にこの仕事に就いていたという感じです。

「そんな働き方で大丈夫なの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

そこで今回ご紹介したいのが、スタンフォード大学の教育学者ジョン・D・クランボルツ教授によって提唱された
キャリア理論、『計画的偶発性理論』です。

「計画的偶発性理論」は、予期していなかった出来事がキャリア形成に大きな影響を与えるという考え方です。

この考え方の背景には、仕事で成功した人のキャリアを調べたところ、多くの人が予期していなかった出来事を転機として経験していた、という研究があります。


偶然の出来事によって起こるキャリアの転機

特に結婚、出産、育児、介護、パートナーの転勤など、ライフイベントの発生によって働き方を見直すことになる方も少なくありません。
それ以外でも思わぬ出来事によって働き方が変わってしまう場合があります。

私の場合、まさに「偶然の出来事の積み重ねによってキャリアが作られた」と言ってもいい事例だと思いますので、少し紹介したいと思います。

【偶然の出来事①】
新卒で入った会社の最初の配属先は企画室だった。そこで一般事務を行う予定だったが、たまたま会社のロゴが変わるタイミングだったこともあり、技術部門が非常に忙しく、初日から技術部門に異動になり、製図の研修も受けないまま図面を書くことになる。その後、職場結婚して退職するまで技術部門に在籍する。

【偶然の出来事②】
子どもが小さいうちは子育て優先にしたかったので、週3日、9時~15時までのデータ入力の仕事に就く。学校行事にも対応してもらえる働きやすい職場だったが、「会社のシステムが変わり、今後入力作業はいらなくなった。」と言われ、他のパートさんと共にやむなく3年で退職する。

【偶然の出来事③】
CADオペレーター事務のパートをしていた時にリーマンショックが起こり、景気は一気に悪化。これから子どもの教育費にお金がかかるという時に、上司から「あなたに非があるわけではないが時給を下げたい。嫌なら辞めてもらってもいい。」と言われ、どうしようかと迷っていた時、上司の携帯に社長から電話が入る。「本社の方で退職者がいるので正社員になってくれないか。全然違う仕事をやることになるがそれでもいいなら。」と打診があり、その場で受けることにする。

この他にも、子どもが病気にかかったり、せっかく勤めた会社が倒産したり、何度か『予期しない偶然の出来事』は起こり、そのたびに私のキャリアは意図せず変化していきました。

敢えてゴールを決めない働き方

そんな偶然の出来事(私にとってはピンチの連続)によって、決して順風満帆ではないキャリアを歩いてきた私ですが、振り返ってみると、どの経験も今の仕事をするためには必要な経験だったと思えるのです。
意図せず技術職に就いたことも、絵を描くことが好きだった私にとって図面を書く仕事は楽しかったですし、その時に身に着けたスキルが、その後のキャリアのいろんな場面で私を助けてくれることになりました。

また、「給料を下げるか、辞めるか」の選択を迫られて、やむなく引き受けた正社員の仕事は、誰もが嫌がってなり手がいなかったISO事務局の仕事で、不安しかありませんでしたが、ISOについて一生懸命勉強するうちに、この仕事が自分にとても向いていることに気が付きました。

そこで成果を出していると、今度は採用・教育・プロジェクト運用など、いろんな仕事を任されるようになり、何となく自分がどういう仕事にやりがいを感じるのかが分かってきました。

キャリアのつくり方は人それぞれです。

最初に目指すべきゴールを決めて、そこにたどり着くために必要な経験を積んで行く人もいれば、私のようにいろんな経験をしていく中で、だんだんと目指すべきゴールが見えてくるというキャリアのつくり方もあるのです。

偶然の出来事をチャンスに変える人の特性

それなら、偶然の出来事によってチャンスが訪れるのを、ただ漠然と待っているだけでいいのかというとそうではありません。

『計画的偶発性理論』では、チャンスが訪れやすい人の特性として5つの要素をあげています。

①好奇心:いろんな事に興味を持つ

②持続性:すぐに諦めないで、しばらくやってみる

③柔軟性:最初の目的に固執せず柔軟な考え方を持つ

④楽観性:この程度の失敗なら許容範囲。かえって良い経験になった

⑤冒険心:ワクワクする気持ちを大切にして、とにかく行動してみる

チャンスを手に入れるためには、ただ漠然と働くのではなく、働く時の意識の持ち方が重要なのですね。

おわりに

現代のように、変化が激しく先を見通すことがとても難しい時代においては、最初の目標に固執しない柔軟な考え方が必要だと言われています。しっかりと目標を立てて計画通りに実行していても、想像以上の変化や予想していなかった出来事によって、目標を見失ってしまう場合があるからです。

転機が訪れた時、あまり先のことまであれこれ考えてしまうと、なかなか一歩が踏み出せなくなってしまいます。そんな時は”今”と”少しだけ未来”を見ながら「さて、どうするか」をその都度決めていけばいいのではないでしょうか。そして少しずつ自分にとって望ましい方向へ近づけていきましょう。

目の前の小さな行動が、思いがけないチャンスにつながることもあります。

一番大切なのは、想定外の出来事が起こったとしても「私はきっと大丈夫」と、自分を信じ続けることです。そうすれば、例え最初に目指した場所でなくても、はっきりと目指す場所が決まっていなくても、最後にはあなたが本当に目指す場所へたどり着けると思います。

女性しごとテラスでは「働く」にまつわる、あらゆるご相談に応じています。

・将来の働き方について不安がある。
・どのような仕事に就いたらいいかわからない。
・応募書類や面接に自信がない。

そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。